S字フックに服だらけ…ビフォーアフター

私の実家は、北海道の中央部にほど近い所にある一軒家です。
現在は母が一人暮らしをしています
間取りがなんと5LLDK!広いですね。

前々から、散らかってるな・・・と思ってはいましたが
私の「片付けeye」が開眼し、猛烈に自宅を片付けた後だったので
余計にこの散らかり具合が気になって仕方なくなり
ついつい親に言ってはいけないNGワードを連発してしまっていました。

「ちょっと片付けたら?」
「こんなモノいらないでしょ」
「さっさと捨ててよ」
などなど。
(はい。反省しております。あの頃はごめんなさい。)
こんな事を言われたら、

「うちは片付いている!」
「捨てるモノなんて一つも無い!」
「あんたにエラソーに言われたくない!」

って反発したくなりますよね。
そりゃなります。当たり前です。

何とかしたいとは思っていたのですが、言えばけんかになるし、私が住んでる訳じゃないし、
部屋数がたくさんあるので特に困ってないし・・・で、結局そのままに。

(実家片づけ整理協会事務局注・S字フックにクリーニング屋さんの針金ハンガーにかけられた服、鴨居(かもい)に冬でも並ぶ団扇は、親の家でよく見かける光景です)

数年後、片付けの勉強のまとめとして、実家を片付けさせてもらうことにしました。

資料用の写真がほしいの!お願い!と頼み込み、片付けスタート。
まずは洋服の整理から始めました。

無駄に部屋が多いためか、一階にも二階にも洋服がかけてある状態。
洋服が分散していると出掛ける支度をする際に、一階と二階を行ったり来たりして時間を取られます。
なので、洋服を「一箇所に仕舞う」を目標にしました。

各階の各部屋から集められた洋服は、かなりのボリューム。
一点一点「着る・着ない」もしくは「着たい・着たくない」で仕分けをしていきました。

決して「着ることができる・着ることができない」で仕分けをしないこと!

サイズがきついとか、ほつれているとか、虫食いの穴が空いているとか
カビているとか、日焼けして変色しているとか、そういう条件で手放す洋服を選ぶのはNGです。

なぜNGか。それはモノが主体になっているから。

人間(自分)主体で選ぶこと!これ大事です!

洋服は
暑さ寒さから身を守るためのモノ
自分の気分を良くするためのモノ
自分を美しく見せるためのモノ
総じて「自分のために存在するモノ」なのです。

これはちくちくして着心地が悪いんだけどもったいないしな、だから、取っておくか。
これは買ったとき3万円もしたのに数回しか着ていないんだよな、だから、取っておく。
これは全然気に入ってないんだけどあの人がプレゼントしてくれた服、だから、取っておくか。
これは今となってはキツイんだけどまたやせたら着るかも、だから、取っておくか。
これは何十年も全く着ていないんだけどお義母さんから受け継いだもの、だから、取っておくか。

これらの言い分には、自分の意思が全く入っていない事にお気づきですか?
だから、と、とっておくか、の間に (本当はいらないんだけど) が入りますよね。

このような理由で取っておいた洋服は「あなたのために存在しているモノ」と言えるでしょうか。
あなたの気分が良くなり、あなたの美しさを引き立ててくれるモノですか?

収納家具は着ない服でパンパンのため、着る服は洋服山になっていませんか?
着ていくときシワシワになってはいないでしょうか?
着たい洋服が見つからなくってイライラしてはいないでしょうか?

母は当時60代でしたが、上記のような考え方を説明すると、すんなり分かってくれました。(優秀です)

でもやっぱりどの洋服にも思い入れはあったようで、
これは○○の時に買って○○によく着ていった、とか
これはあんたが小さい頃よく着て○○に一緒に行った、とか。
ひとつひとつのエピソードを聞きながら、手放していきました。

 

モノを捨てるのは簡単です。ゴミ袋に入れればいいのですから。
なぜ捨てられないか。それはモノに思い出が「くっついている」からなのです。

モノと思い出は別です。

例えば、とっても楽しかった旅行の思い出の品々を

Aさんの場合
その時に着ていった思い出の洋服(今はキツイ)
その時に買ったかわいい小物(今ではホコリまみれ)
その時に撮った写真(現像はしたが枚数が多すぎる)

Bさんの場合
その時に着ていった思い出の洋服(今でも着ているし気に入っている)
その時に買ったかわいい小物(今でも大事に飾ってある)
その時に撮った写真(ベストショットだけを現像しアルバムに残してある)

どちらが思い出を大切にしているかは一目瞭然ですね。
モノにも賞味期限があります。

「今」の自分が着たいか着たくないか
「今」の自分に必要かどうか
「今」の自分が楽しい気分になるかどうか

「今」に焦点を合わせてモノと向き合ってみてください。

実家片づけアドバイザー 白湯子