簡単に過去の認識が変わる、変えるというのは難しいですね。
とくに持ち家に関する意識がそうです。
日本の高齢者はざっくり8割が持ち家ともいわれています。
私の親世代もそうですが、家を買うことはとてもいいことでした。家賃を払うぐらいなら自分のものにする=所有権を持ったほうがいいということなどがあげられます。
いまはリスク面が顕在化しています。
持ち家の主なリスク ベスト5 ~このデメリットと向き合えば効率的に片づく!~
・固定資産税やローンの支払い(年金生活者や諸事情で働けなくなった人はたいへん)
・地震・豪雨・火災などの自然災害
・経年劣化(リフォーム費用、建て替えが必要になる)
・近隣環境の変化(人口減少でス―パ―がなくなった・急に目の前に大きなビルが建って日照時間が減った・隣に人の出入りが多いお店ができた・迷惑行為などをする人がいる・都市計画で道路をつくることになって立ち退きをすることになったなど)
でも、一番、誰もが抱えうるのは、
・ライフスタイルの変化に対応しにくい=空き家になりやすい
ということではないでしょうか。
少子高齢化で家があまっているので、ライフスタイルの変化が即、空き家化へと直結するのです。
詳しくみていきますと、とくに多いのは、
仕事の都合で、勤務先から遠くなり、通勤できなくなった
子どもが結婚して別世帯となり、部屋があまった
という、家族の都合です。
とくに仕事の変化や家族構成員の減少によって、家が人の数よりも広くなりすぎたこともあります。
コンパクトにしたくても、物は人数分増えていますから、急には片付かない状況になっていきます。
そして、住む人自身が高齢化するとことで、
介護ベットを入れられる広いへやがない
車いすが通るには廊下の幅が狭く、段差が多い
エレベーターがなくて階段がつらくなった・1戸建てだが2階への階段が急で使えない
・・・いろんなことが考えられます。
そして、ライフスタイルと、人間側の体力の低下で、住む人がいなくなる=空き家 になっていくのです。
昔、親世代は、指輪でも、真珠のネックレスも、着物も、「一生モノ」だと思って買ったり、お嫁入り道具としてもたされたりしました。
もちろん家も、「一生に一度の買い物」なんていわれて、ずっと住むつもりで買いました。
ところが、その「一生」が、ずっとロングになったんですね。
ライフスタイルが変わったということもありますが、人生そのものも長くなったので、いろんな変化があるということです。
今の70代以降の親世代は、平均寿命50代前半だったころにお生まれになったので、多少ライフスタイルが変わっても、そのころは人生そのもんが短かったので、真珠も家も一生モノですんだのです。
ところが平均寿命が90歳に届くようになったいま、それ以上に長生きです。
真珠も宝石もはやりのデザインが変わるので、そのまま使えることはありません。
家もそうです。
高齢者マンションなどというように、もっと高齢者に住み心地よいいいものができてきました。
ライフスタイルも、体調も変化しますから、一生モノはありえない時代となったのですね。
物を大事にしないとか、そいういう次元の話ではないですね。
持ち家のリスクというと、なんだかくらく感じますが、自然災害ということもありうる時代。
リスクをシミュレーション、イメージして、物や家のための片づけというよりも、
自分にとってなにが大事なのかを考えて、
人のための片づけをすることで、生活の質を上げていければいいと思います。
親にストレートに伝えにくいですが、片づけながら少しずつ伝えていくことが、ライフスタイルの変化を受け入れていくことから始めるのが、その後の相続や片づけにつながることでしょう。
それが、空き家化の防止にもなります。
長生きしたり、生きていられることはいいことだというのが、大前提です。
やりたいことをできる時間がふえたということは、いいことではないでしょうか。
少子高齢化というとイメージが先行するなか、片付けに時間をできるだけとられることなく、これから先をポジティブに明るくして、好きなことをする時間を増やすお手伝いをさせていただきます。
片付きますように(渡部亜矢)。
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