「ゴミ屋敷化」は特別なことではない~実家の片づけでリスク回避を~

おかげさまで、いろいろなところで講演をさせていただく機会に恵まれております。
みなさま熱心に聴いて下さるのですが、「ゴミ屋敷」についての反応は人それぞれです。
一番多いのは、

「ゴミ屋敷って、あそこまでゴミだらけになるのはひどーい」

というもの。
人は、美しい物、きれいなことが好きなので、ゴミ屋敷という単語を聞いた後味はよくないかもしれませんが、現実の怖いもの見たさもあって、ゴミ屋敷全般については、関心が高い人が多いのは確かです。
そして、おもしろおかしく話をしたり、ひどい現実を知り、ウチはまだまだ大丈夫、ちょっと安心するといった気持ちがわいてくる方も。

その一方で、
「実は・・。あそこまでひどくはないのですが、実家の状況とほぼ同じなんです・・・」と、そうっと、ご相談してくださる方のほうが、案外、多いのです。

よくよくお話しをうかがうと、
「実家だけでなくて、うちも忙しくって、たいへんなんです・・」

これは片付けに悩む方の王道です。
そして、多くの方のお悩みなので、間違いなく「いい人」です。
自分だけでもたいへんな世の中なのに、親や周りを気にして、なんとかしたいと思っている、まじめな方たちが多いのです。

これは、もう、日本の国民的な悩みといってもいいのではないでしょうか。
家庭内のことは家庭内に埋もれていあすから、自分の悩みが社会的なこととして表面化するのには時間がかかるのです。
その途上にあるのが、まさに「実家の片づけ」です。

人生では生きていくなかでいろいろなことが起こります。
けが、病気、災害、介護、転職、結婚、家のリフォーム、相続など。
自宅や実家がごみ屋敷化したら、そんなリスクを回避することもできないのです。
そしてそのリスクは、体力が落ち、年齢を重ねるごとに増えてくるのです。
実家ときちんと向きあうことは、仲良くするというのとはちょっと違います。
自分のルーツを客観的に知るということに近いと思います。

ですから、雨が降りそうなら傘を持って出かけるように、一緒に実家の片づけをしていきましょう。
天気予報を見るように、空き家率、高齢化率、地震がくる確率を見れば、リスクは十分予測できるのですから、
ただ美しい暮しをするだけでなく、ちょっとしたリスクを回避して快適になる方法があります。
実家の片づけを、一緒にすることで、ポジティブに、さまざまなリスクを回避する方法を、具体的にお伝えしてまいります。

どうか一人で悩まないでください。
片づきますように。(渡部亜矢

 

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