【Q35】義理実家の片付けで、義姉と義母がケンカ。間に挟まれて困っています。

■qa「親の家」お悩み解決

【Q35】義理の実家の片づけで悩んでいます。散らかっていて、片づけたい義姉と捨てたくない義母に挟まれて困っています。

義理の実家はいわゆるゴミ屋敷ぽくなっています。

庭が荒れたのをきっかけに、近所に住む義姉と一緒に片付けようとしましたが、うまくいきません。

義理姉も義理母も、もともと折り合いが悪く、近くでそれぞれ一人暮らしをしています。
義母は義母で、独身の義姉の散らかっていることを棚にあげて人のことばかり言うと、いつも愚痴を私にいいます。

夫の話だと、義姉は小さいころから部屋は汚かったと言っています。義姉の家には入ったことはありませんが、いまはもっとすごいかもしれません。

ある時、両方にいい顔をするのが面倒になって、それぞれご自分で片づけてみてはいかがでしょうといったら、ふたりとも怒ってしまいました。
最近では二人で私の悪口を言っているようで、つらいです。

義姉から実家を片付けたくて、いつも私に相談していたのですが、本当は、私に片付けてほしかったのかもしれません。私はいったいどうしたらいいのでしょうか。

【A35 】一番肝心な人に表に出てもらいましょう。

あなたは義姉や義母から慕われ、悩み事を相談されているので、とてもいい人なのだと思います。
そもそも人が誰かに相談するときには、自分を肯定してもらえそうな人を無意識に選んで相談していることが多いですね。

さらに古い言葉で言えば、あなたは「嫁」という立場です。きっとお嫁さんなら、義姉も義母も、自分の言い分をまるごとあなたが肯定してくれて、いわゆる「嫁」的に片付けてくれると、「勝手に」思ったのかもしれません。

「家制度」の中では、「嫁」はあいかわらず外様です。
そうでなくても、家族の中では女性はあいかわらず弱い立場です。

弱くて言いやすく、否定しないであろうあなたに愚痴をぶちまけてきただけでなく、自分たちがしたくないこと(片付け)をしてほしいと思う気持ちがあったのかもしれません。

こういう話は、令和の時代でもよく聞く、残念な現実です。

そこで、あなたはあなた自身の意見を正直に伝えたら、今度はあなたとの仲がぎくしゃくしてしまったのでしょう。あなたがあなたの意見を持つのは、人として当たり前なんですが。

その結果、あなたにとってはいやな出来事ですが、不仲だった義理姉と義母が共通の「嫁」という「敵」ができたことで、仲良くなってしまったのですね。

はたからみたら、仲良くなったからそれでいいのではないかといわれて、笑われておしまいとなりそうな話です。

そうはいっても、あなた自身は浮かばれません。心境をお察しします。

人の悪口をいったり愚痴をいうことで結ばれている人間関係は、いい結びつきとは言えません。

いずれきっかけさえあれば、またケンカして、口をきかない状態になる可能性は十分あります。

一番問題なのは、このお悩み相談で片付けを全くする気配のない、あなたの夫さんが、率先して実家の片づけをしてもらうことです。

もしかしたら夫さんは自分はしなくていいと勘違いをされているかもしれません。

夫さん中心に動いてもらい、話をしてもらうことで、義母や義姉はことの重大さに気づいてもらいましょう。

いまは少子高齢化が進んでいて、きょうだいも減っていますから、それぞれの実家をそれぞれが片付ける時代です。

「嫁」という立場で片づけても基本的に相続でいただける権利すらありませんから、そこをよく理解したうえであなたの夫を巻き込まないと、義姉や義母の家は片付きません。全員が高齢になり共倒れを通り越してドミノ倒しとなる危険があります。

まずは夫さんをうまく巻きこむことが、長期戦になったとしても、円満解決への近道です。
せっかくのごきょうだいの仲や親子関係が、片づけの押し付け合いで仲がわるくなったら、元も子もありません、

この際、「いい嫁」にならなければいけないという強迫観念から距離を置いて、義理家のことは、自分の親族だと思わず、仕事だと思って、感情面でスルーしてみてはいかがでしょうか。

深刻なのは、このケースでは、実家の片づけは今までほったらかしだということです。
近い将来、あなたは、ご自宅に加えて、義理姉の家、義母の家と合計3軒、そしてあなたの実家をあわせると、おそらく4軒もの片づけが、あなたの身にふりかかります。

これはあなたにとって、悪口を言われる以上に好ましい状況ではありません。

必要なら夫さんを通して業者をたのんで片づけるなど、アウトソーシングして負担を軽くできないかも検討していきましょう。

同じような状況の方は、世の中たくさんいらっしゃるということをまずは胸に秘めて、心を軽くすることからはじめてください。応援しています。

片づきますように。渡部亜矢