片づかない話 第13話 なんとなく空き家になるはなし

 

ある程度大きな都市で、主要な駅の近くからの徒歩圏内でないと、家は売れない・・・

そんなことは今更わかっているのですが、ご高齢にとってわが身となってきたのは、まだ最近のことのようです。

 

不動産といえば、とにかく持っていれば下がることはないと信じられてきました。

 

親世代の中には、相続対策はお金持ちのすることで、財産はというと、家しかないのでうちは関係ない思っているごく普通の方々が、まだまだ多いのです。

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子世代がいったん相続したらさあたいへん。

固定資産税などの維持費を払うのさえもたいへんです。

たちまち、迷惑資産となるのです。

 

「ここは田舎だから、別荘みたいに時々帰ってきて使てくれればいいのよ」なあんて、軽い気持ちで遺していった家が、負担になるのが、時代の流れです。

 

今でさえ、年にやっとの思いで1度か2度、帰省するのがせいぜいなのに、別荘気分でわくわくかえるということはまずないでしょう。

 

法律や制度はいつも後追いです。

家庭内を守ってくれる制度ができるまで、何もしないで待っているわけにはいかないのです。

 

こうしている間に、子どもも、親も、年をとるのです。

 

金利が安い今は、お金と殖やすことを考えるよりも、減らさない努力をするほうが、うんと効率がよく、現実的です。

 

実際、空き家にいくらかかり、どうやって片づけたらいいのか。

やみくもに捨てるだけでは、金銭的に損をするだけでなく、親の思いを引き継がなかったかもしれないという自責の念でつぶれてしまいます。

 

そうなってくると、片づかないで、放置され、やがてなんとく空き家となってしまうのです。

片づかない、典型例です。

 

売れないから、というのは、もしかしたら、大義名分の一部かもしれません。

売る努力をする前に、精神的に折れてしまっている人も多いのではないかと思います。

 

親の思いの詰まった家がそうなってしまうともったいないですね。

 

私の周りには、とかくひとりで作業をしていると、暗くなりがちな、片づけ話を、明るく、やってよかった~と、シェアできるメンバーが、講座に集まっています。

 

知力と行動力で、マイナスをプラスに変える力を、安心して出せる空間、場所づくりをめざしています。

 

どうぞ片付きますように。(渡部亜矢)