家の中は物だらけ。
物を減らしたい。
でもできない。
そんなお悩みをよくうかがいます。
でも、どうしたらいいのでしょうか。
それは「毎日が特別な日」だと心得ることに尽きるのです。
この、普段使いと特別な日という垣根を低くすることをおすすめします。
よく、ご高齢者のお宅にまいりますと、
「これはよそいきにとっておく」とおっしゃいます。
着るのなら、今すぐ着てみましょう! 素敵なお召し物ですよ。
ともうしあげます。
そのうえで、よそに行くときって、具体的にどこに行くときかというのをおたずねします。
すると、こちらが聞いているのは、「これから」のことなのですが、たとえば、「詩吟の発表会で着た」などという、「過去にその服を着たという、思い出」のエピソードがかえってくることが、よくあります。
過去に着たことがあるので、また着るかも、となるのだろうと推測します。
これからのことよりも、過去のほうがウエートが高いのです。
つまり、服ではなく、思い出になってしまっているから、捨てられないのです。
さらに、
「普段着におろす」とよくおっしゃいます。
でも、普段着だらけで、これ以上ふやしてはいけないというケースもあります。
1着、よそいきから普段着におろしたら、普段着を処分する必要があります。
高齢者は、処分はそう簡単にできないでしょうから、一時保管箱の出番となります。
これ以上、部屋着を増やしても着ることはないでしょう。
毛玉のついたカシミアのセーターを、「部屋着にする」とおっしゃって捨てたくない気持ちを語ってくださった方もいらっしゃいます。
30年前に、思い切って買った高級品だそう。
高級品であっても、穴のあいたセーターで、お部屋で過ごすのは、時間がもったいないでしょう。
ほかに素敵なお洋服をいっぱいお持ちです。
地震がきて逃げるときや、家族が突然、入院して、一刻も早くかけつけなければいけないとき、穴のあいたセーターでは、大事な行動のブレーキがかかってしまうかもしれません。
そんな語り掛けをしていくのもいいでしょう。
食器もそうです。
とっておくだけでしたら、食器棚を占領させているだけです。
ぜひ、好きな食器で、心地いい食事タイムを過ごしてほしいと思います。
終活は、自分ののこされた時間を意識して、毎日が特別な日だと意識することから始まります。
無理にすてようとせず、一時保管に移動させ、使う物を残せるように工夫を重ねていきましょう。
片づけを、普段使い、よそいき、部屋着といった壁を取り払い、毎日の生活を特別な日だと意識することから始められるといいですね。
このロジックは、物を減らせる、お金のかからない秘策です。
そして、なによりも片づくことにつながります。
片づきますように。(渡部亜矢)
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