お盆に帰省したら、細かいものが全体的に増えて、すべてが汚くなっていました。
思わず顔をしかめたら、感じが悪いと怒ります。
キッチンやお風呂、玄関、両親の寝室、全部、散らかっています。ドロドロのシャンプーボトルや残ったリンスや黒ずんだ石鹸など。。。
冷蔵庫ななかには、変色した納豆についていた辛子、いつのものかわからないエスニックの系調味料や、分離したケチャップなどの食べ物でぱんぱん。
キッチンのシンクのまわりには大量のレジ袋や、通販で買った食品の、開けていない段ボールが積みあがっています。母に片付けてといくら言っても、もっと汚い人はいっぱいいるといいます。
母は、30年前の服をそのまま持っています。私が生まれてから、一度も着ていない服もあります。
母方の祖父母の家は綺麗だったので、遺伝ではないと思います。なぜ母は片付けられないのでしょうか?
父は家事は関係ないといって手出しをしません。
どこから何をしたらいいでしょうか。
【A】「親の壁」が低い順番で、両親別々のアプローチを
お気持ちお察しします。
ご両親がお元気でご健在なのは、幸いです。
ただ、その分、捨てたくないというパワーも強いかもしれません。
まず、お母さんだけに片づけてというのはやめて、ご両親の両方にアプローチすることを心がけてください。
体力的に家事すべてを担うには、負担を感じる年齢になってきているころですから、ご両親の両方が
家事をするように仕向けていきましょう。
といっても、昭和のお父さんは他人事かもしれません。
お父様には、庭をきれいにしておくとご近所の治安がよくなるとか、ご先祖様も大事とか、世間の決まりごとで、ごみは分別して出すようにしようというのがいいでしょう。
あくまでも、「世間の決まりごと」「お役所の事情」というふうに、片付けをしてもらうように促していきます。
娘さんの意見ではなく、家族の外側の世の中の事情ということなら、素直に聞いていただける可能性が高くなります。
そのうえで、立ちはだかる片づけの「親の壁」を突破する方法をとっていきましょう。
突破できそうな片付ける順番としても「親の壁」は3つあります。
① 玄関周り、廊下、階段、庭など、親の気持ちから遠いので片づけやすいエリアです。
く捨てやすく、ご近所などの目につきやすいところから片づけてはどうでしょうか。
廊下に物があると、地震や停電のときにつまずいたら危険だと話してみましょう。
玄関周りや廊下を片づけながら、片づけることのメリットを伝えます。
② 賞味期限切れは、とりあえずあなたといっしょに処分してみましょう。
ご高齢になると、賞味期限の字が小さくて見えていない可能性がありますから、期限が近い物も、いったんかわりに処分してしまってもかまわないでしょう。
③ レジ袋にはいったままのものは、なにがあるのかわかりやすくしようといって、一度すべて出しましょう。
今後は買い物から帰ったらすぐにあけようと伝えて、いっしょに買い物にに行こうといって、買いすぎを防止していきます。
いずれも、「捨てる」というと、怒りますから、分けてから「移動しよう」と話して、使っていないお部屋に、一時保管として移動させて、床が
見える状態を目指します。
「移動」というのは、捨てるわけではないので、安心して同意してくれる確率は高くなります。
少し床がきれいになってくると、捨ててもいいやという気持ちになることがあります。
どうかあきらめず、少しずつでも分けていってください。
片付きますように(渡部亜矢)。