突然ですが、質問です。
あなたの実家は持ち家ですか? 賃貸ですか?
持ち家でしたら、将来、空き家となった親の家の売却を考えなければいけない可能性が8割あるといっても過言ではありません。
なぜなら、75歳以上の持ち家率は、81.2%だからです。
(家計主の世代別、持ち家世帯率(割合)(2013年、住宅・土地統計調査より)
あなたが親と別世帯ということは、親から自立して、仕事など人生の都合があるわけですから、親の家を相続したからといって、すぐに引っ越せないことは明らかですね。
そして、あなたは、2軒の家を片づけることになります。
あなたのお連れ合いの実家もあるのなら、ご夫婦で3軒片づける将来が待っています。
これが、人々がはじめて遭遇する、「少子高齢化社会」の現実のひとつです。
住む人がいないからといって、実家の売却をすぐに決断できる人は、そんなには多くありません。
思い出だらけの家、すぐに売れそうもない駅から離れた家、きょうだいで話し合いが付かない家、物であふれた家・・・いろいろな理由で、空き家となる時間がふえるばかりです。
主をなくし、親をなくしたのこされた遺族同志の話合いは、そう簡単にはいきません。
それまでは、親と中心に集まっていましたが、主の家に積極的に集まろうと思わなくなることが多いのです。
主をなくし住む人なくした家は、風雨にさらされる物となってしまうのです。
そんな現実がみえてきた昨今ですが、親世代にとって不動産は、価値のかわらないものとして、感情のなかにのこっていますから、対策を積極的に取ろうと思う人はごくわずかでしょう。
不動産は、困ったら売れる物だったのは、高度経済成長や、バブル期までの話です。
親世代にとって、資産価値のかわらない財産であるという意識から、抜け出せない人も多いのです。
理屈はわかっていても、感情面では、どこかでなんとかなるという気持ちもあるのかもしれません。
だからといって、親を責めるのも間違いです。
時代の流れや、経済政策の失敗に翻弄されるのは、いつの時代も、普通に暮らしている人々なのですから。
だからといって、社会に対する勉強はしていかなければなりませんね。
親が元気なうちに、住んでいる家をどうにかしようという理屈もありますが、理想通りにはいかないのがつらいところです。
親が施設に入居して住まなくなったとしても、急に親が「家に戻りたい」と言い出すことを考えると、やさしいあなたは、そう簡単に売ってしまうことはできないでしょう。
親が亡くなって実家を相続した場合も、思い出のつまった実家の遺品整理は、かなり難しいです。
親が生きているときにはなんとも思わなかった物のひとつひとつが、かけがえない思い出となってしまうのです。
片づけられないのは、親ではなく、残された子ども世代の問題として、抱えることになるのです。
そんなときに、サクサク片づけられないのが、普通の人です。
どうかご自分を責めないでほしいと私は思います。
それでも片づけないと、どうなるでしょうか。
賃貸に出すにも、売るにしても、話は前へすすみません。
気持ちの整理ができないまま年月がたち、そのうちに実家は、大きな、大きな、「一時保管箱」状態となります。
「一時保管」を維持するために、固定資産税などのメンテナンスをしなければなりませんし、庭の手入れや管理費などの、ランニングコストが大きくのしかかるのです。
もちろん、実家の片づけに通う交通費もばかにはなりませんね。
さらに、40代、50代といった仕事や子育てに忙しい世代にとって、時間は命を削るほど大切なものです。
いずれにしてもコストばかりがかかります。
実家が首都圏にあるか、地方にあるかを問いません。
そうして、空き家となった家は、ランニングコストのかかる「箱」になってしまいます。、
相続した実家に住むのなら、相続税が軽減される特例などあったとしても、住まないのであれば恩恵をうけることはできません。
たとえ気持ちの整理ができたとしても、不要になったからといって、簡単に捨てることすらできないのが、実家の片づけ問題の大きなところです。
首都圏であっても、すぐに売れるのは、ほんとうに恵まれた物件だけでしょう。
総合して考えると、親が生きているうちに、とにかく片づけだけは、少しでもいいので進めて、話しをしておくことをおすすめします。
この週末、空き家をつかった実践セミナーで、実際に空き家にいくらかかるのか、どのように片づけたのかという話を、当事者を講師に招いて空き家をつかったセミナーがあります。
ふだんのセミナーと違って、実物を見ながら話しをしていきます。
ブログに書けない情報も満載です。
空き家の中を見られるセミナーは、おそらくほとんどないでしょう。
空き家片付けを現在進行形で取り組んでいる、実家片づけアドバイザーが講師を務めます。
ツボをおさえた内容です。
片づけが苦手な方、遠くに実家がある方など、片づけに興味がある方、家のいく末が心配な方にお立ち寄りいただければうれしいです。
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