あのこんまりさんは、小さい頃から家にあった主婦向けの雑誌をよみ、片づけをされていたという、有名なエピソードがあります。
そんな素敵なこんまりさんとは比べることはできませんが、私の場合は、『暮しの手帖』を読んでいました。
当時、節約に燃えていた専業主婦の母が買う本といえば、唯一これだけでした。
親の転勤で名古屋いたころなので、小学校4-5年ごろです。
もちろん、お片づけの記事ではありませんし、こんまりさんよりもうんと大きくなってからの話ですから、比べる話ではありません。
手に取ったのは、ステンドグラス風の切り絵の、動物が出てくる物語や、「モチモチの木」の滝平次郎さんの切り絵が出ていたのがきっかけでした。
(私は、小さいころ、子ども好きの滝平さんの展覧会にいって、頭をなでてもらったことがあるので、それ以来、興味があったのです)
「家庭学校」に出てくる家族が、よくありがちで、おもしろい話が多かったので、楽しみでした。
ウチの家族の話のほうがよっぽおかしな話がいっぱいあるから、本気で投書しようかと思い、
でも小学生だからとりあげてくれないだろうなあ、なんて思い巡らしながら読んでいました。
そんな折、『暮しの手帖』のある号で、掃除機の商品テストが掲載されていました。
当時、畳に茶殻を撒いて、箒で掃除をするのが、私が担当のお手伝いでした。
これが、とても面倒でした。
私は、当時まだ高級品の掃除機でしたが、さすがに節約家の母も、この記事を読めば便利だとわかって、新しいのを買うだろうと、子ども心に思いました。
商品テストだから、おすすめの掃除機が出ている話だろうから、母にこれを買おうといえばといえると、わくわくしながら読み進めていくと、・・・
なんとそこには、「今回のテストでは、吸い込み方などを比較して、どれもいいとはいいがたい。しいていえば、この中では○○製」というような結論だったと記憶しています。
本当に、びっくりしたのを覚えています。
てっきり、「これが1番でおすすめ」という話かと思いながら読み進めていたのですが、学校の理科の実験の結果をまとめるのと違うんだ、買うのを待つっていうのもありなんだと思い、
あきらめて茶殻掃除に徹することにしたのでした。
物選びは、慎重にしないといけないということに、気がついた瞬間だったと思います。
(小学生の読解力なので、正しくない可能性もありますが、ご了承ください)
そんなこんなで、我が家に長い間、『暮しの手帖』のバックナンバーが、応接間に並んでいました。
実は、文学全集などと同様、親の家で、よくみかけるシリーズもの、子どもからみると捨てられない物に、『暮しの手帖』があります。
でも、こうやって買いそろえたものは、そう簡単に処分できなくて当然と思います。
男性でよくバックナンバーを揃えている雑誌に、『週刊ダイヤモンド』があります。
どちらも高度経済成長期を過ごしてきた親世代には、思い入れの深い物です。
もはや雑誌ではなく、思い出に昇華しているのです。
当時、一生懸命、生きてきた、親世代の生き方そのものが投影されていますから、簡単には捨てられないのです。
いくら場所をとっているからとはいえ、親がもう処分していいというまでは、見えるところに飾るか、一時保管にしておきましょう。
同じように、空間をしめる揃い物に、食器のセットや、大鍋のセットなどがあります。
引き出物などで、たいして気持ちの入っていない頂きものも結構ありますから、
片づけるときは、自ら買い揃えたものでないものから手をつけると、楽にすすみます。
どうぞ片付きますように。(渡部亜矢)
『週刊ダイヤモンド』「実家の大問題」に記事掲載
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