自分のことで恐縮ですが、片づけることがあまり好きではなく、いやいややっていたかつての私は、片づけることと、捨てることって、同じだと思っていました。
でも、本当は、捨てる作業は、片づけの一部でしかないんだとわかったら、ずいぶん楽になりました。
捨てるのと片付けが別だとわかっていても、捨てることが片付けでは結構大事なことですし、
一方で、捨てられない自分に自己嫌悪している方が多いのも、現実です。
そんな余計な、自己嫌悪こそ、捨ててほしいと思います。
まずは、少しの片づけパワーで「捨てられた喜び」を感じられ、自己肯定感が得られやすく、かつ捨て体質に変わりやすく、時短で整理できる、作業効率のよい、つまりコストパフォーマンスの高い片づけスポットを3つご紹介します。
1 布団
古い布団は、ワンアクションで捨てられて、押入れなどのスペースが空きますので、超おすすめ片づけ物です。
自治体によっては、布団を粗大ごみで出すときは、3枚まで一律料金というケースがあります。
こういったところは思い切って上限の3枚まで処分するきっかけにもなります。
布団そのものは、食品と違って、賞味期限がなさそうですが、布団の寿命は、実は、一般的に3-5年ぐらいといわれています。
そもそも、布団の寿命が案外短いのに、その布団を使うお客様が5年以内に何人いらっしゃったかの確認から始めてみるのもいいでしょう。
お客様がお泊りしたのは、ここ1年で何回あったかと、振り返れば、決心がつくことも多いのです。
そもそも、子世代や孫がその布団で寝たいのか?ということも自問自答してみてください。
布団を保管するには、ダニなどの虫もつきやすく、湿気を吸うので、干したりする手入れの手間もかかります。
大きな布団を粗大ごみにだすのはたいへんな作業です。
もし、ご実家にたくさんお布団があったら、一緒に片付けができると、喜んでもらえる「親孝行アイテム」なんですね。
処分して、あいたところは、片づける作業で、一時保管品や粗大ごみを置く場所にもなります。
70歳以上の親世代さんですと、御嫁入とのときにもらったという「思い出布団」をずっと持っているという方も結構多いのでね。
ご相談のうえ、カバーの柄のきれいなところを額縁に入れて飾ることにして、布団そのものは処分するお手伝いをして喜んでいただいたことがあります。
なにしろ、お嫁入り布団ですから、素敵な柄でした。
いざ、お客様が泊まりに来るときは、レンタル布団もある!と、親御さんにお伝えください。
干す手間もなく、場所もとらず、本当に楽です。
2 スーツケース
海外旅行に行くたびに、用途や荷物の量にあわせて違う大きさものをお買い求めになり、タンスの上などに上げている方が多いのが気になります。
子世代も、バブル時代が多いので、「海外旅行はまたいくかもしれない」と、潜在意識化で思っていることも多いような気がします。
子世代も捨てなくっちゃと思わないようなのです。
ヨーロッパ旅行用の大きい10日用スーツケース、アジアの数日用のスーツケースと、いくたびに大きさの違うスーツケースをお持ちの方も、少なくありません。
あくまでのヨーロッパ用のサイズは、ヨーロッパ旅行用のサイズであって、あなたやあなたの親御さんの持ち運びができるサイズではない、ということをよく考えてみることから始めます。
とくに寝室のタンスの上などに、ハードなスーツケースがあると、地震などで落ちてきて危険です。
捨てない場合でも、とりあえず頭上から下ろしましょう。
とくに寝室の箪笥の上に置いている方は、要注意です。
不要な物を捨てるだけで、結構すっきり感と安全面を確保できますので、ぜひとりかかってください。
とくに高齢になると大きなスーツケースを持つことはできませんので、厳選していきます。
は、機内持ち込みできる軽いスーツケースをレンタルできるものもあります。
基本は、本当にこれからつかうものかどうかを考えることですね。
3 ダウンジャケット
薄手であたたかい繊維素材が開発されたこともあり、ダウンジャケットを着る機会が減りました。
最近は温暖化がすすんだこともありますね。
一昔前は、ダウンジャケットは毛皮とならんで高価だったので、とくに親世代は着なくても捨てられない一品です。
ところがこのダウンジャケット、結構しまうのに場所をとります。
ダウンジャケット1枚処分しただけで、クローゼットが8割収納になったという方もいらっしゃるほど。
衣替えのたびに出すけれど、一度も着ないまま、数年経っている方がいらっしゃいました。
今年の冬、着なかったら見直しをしてみてください。
スッキリ感を味わいやすいアイテムです。
上級者は、ぜひ、カシミヤのセーターなども見直してください。
高かったので、虫が食っても捨てられないという方を、たくさん目にいたしました。
虫が食ったセーターは、あなたが着られないだけでなく、買う人も、もらってくれる人もいないのです。
それほど、物を持ち続けるというのは、手入れや保管方法など、たいへんなコストがかかるということなのです。
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いかがでしたか。
こんな知識があるだけで、「捨て体質」になる道は、ぐんと広がります。
ひとつでも捨てられると、その後の片付けもすすみます。
コスパの高い片づけスポットから手をつけてくださいね。(実家片づけアドバイザー渡部亜矢)
(実家片づけアドバイザー® 渡部亜矢)