物の持ち方、買い方は、その方のキャラクターの一部であるというのは、多くの方にご理解いただけるのではと思います。
片づけが苦手という方のお宅におじゃましますと、片づけが苦手な方に共通する「あるある」に遭遇し、「わかる」という部分があります。
そして、ここからが重要なのですが、ここをちょっと変えればうまくいく、というポイントをご提案させていただくことがあります。
そのひとつが、収納グッズを先に買ってしまうということです。
とある方も、よくある「散らかりあるある」が満ち溢れたお部屋でした。
収納が少ないから片づかないのだと思い、ワイヤーの棚を買いましたが、なにをいれていいのかわからず、100円ショップでかごを買ってきました。
でも、もともと「なにをいれたらいいのかわからない」状態でしたので、結局、そのプラスチックのたくさんの籠たち(おそらく20個ぐらい)は、空っぽのまま、1年以上放置されていたのでした。
もちろん、その間、床には物が出っぱなし。
20個ぐらいの100均籠は、しかもサイズがあわず、なんだかとてもちぐはぐでした。
この1年、片づけがすすんだのは、ワイヤーラックを組み立てただけで終わったのです。
お金を払って物をも増やし、そのワイヤーラックのすきまにはほこりがたまり、かえって物をふやし、お金をつかっただけで終わったのです。
ワイヤーラックを組みたてるところまでは、この方はできいましたが、これがどんどん高齢になってくると、力も細かい作業も伴いますので、組み立てることも難しくなります。
そのまま放置されることもよくあります。
通販とかで安く買うケースが多いようですが、組み立てられたことのない組み立て家具にしないように、買う前によくシミュレーションする必要があるのです。
そもそも組み立て代が入っていないから安いんです。
イケアさんだってそうですよね。
では、この方が1年間そのままにしていた間の、家賃はどうでしょうか。
都内の駅から徒歩圏内の住宅地ですから、そこそこのお値段はすることでしょう。
そういうお宅は、ほかにもいろいろな便利グッズが眠っている事が多いのです。
突っ張ったことのない突っ張り棒。悲しいです。
埃だらけのシンク下の収納庫は、使ったことのない、ゆがんだふたとべたべたのタッパが数個はいていただけでした。
おそらくこれらのタッパの出番はないでしょう。
洗面台の収納庫の前には、抗菌洗剤。
そして、抗菌洗剤を入れようとして買った、2段ラックなど。
抗菌の文字がむなしい雰囲気を醸し出していて、使いかけシャンプーなどのストック品に埋もれています。
片づける前に、収納グッズを買ってしまい、買って満足し、そのまんま…というのは本当によくあるケースです。
こんなふうに、泣ける収納グッズは、日本中に、たくさん眠っているのではないでしょうか。
収納グッズは、片づけてから、自分に本当に必要な物を、どうやって使うのか、どうやって組み立てるのかもよくイメージしてから買いましょう。
そもそも、日本は地震大国なので、家具やグッズは少なければ少ないほどいいのです。
ミニマリストにならなくてもいいけれど、必要でない家具で命を危険にさらす必要はないでしょう。
そして、床にどれだけ物があっても、何を入れたらいいかわからない…という場合は、ひとりで片づけるのはまず難しいと思われます。
もし、心当たりがあれば、片づけサービスを頼んで、どんな収納がいいのか相談に乗ってもらうのが一番いいのですが、いきなり業者にたのまなくてもいいので、とりあえず、友人や家族など、
身近な片づけが得意な方にSOSを出してみることをおすすめします。
とにかく、誰かに相談してみましょう。
今は物が多くて片づけがたいへんな時代です。
無理かなと思ったら、気軽にSOSを出すことから始めるのが近道です。
一緒に片づけてきましょう。(渡部亜矢)
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