実家の片づけに限らず、自分の家を片付けていて、多くの人のネックになるのは、
「もったいない」という気持ちです。
物というよりは、この、もったいないという「意識」が、片づけの手を止めてしまいます。
捨てるのも、しまうのも、掃除するのも、全部面倒。
「もったいない」という言葉で、片づけをやらなくてもいい「免罪符」を、
自分自身に与えて、そのまま放置してしまうのです。
とくに親世代は、捨てること自体がモッタイナイと思っていますから、なんでもとっておくのです。
もし、今の状態を少しでも変えて、片づけたいと思うのなら、「もったいない」という今の気持ちを覆すだけの、「強い意味づけ」が必要です。
具体的には、全世代で価値観が共通している、「お金」と「健康」をキーワードにして話しかけていくのが、おすすめです。
たとえば次のようなアプローチがあります。
「お金」の面
・使わない物を置いてある部屋の家賃または固定資産税がもったいない。
・冷蔵庫は、物を詰めすぎると、冷たい空気が届かないので、電気代がもったいない。
・賞味期限切れのものを食べておなかを壊したら、治療費と薬代がもったいない。
「健康」の面
・カビの生えた服やカーテンのせいで、呼吸器の病気になったらもったいない。
・高齢になって床にある物につまずいて転んで入院したら、長い間歩けなくなるかもしれないので、もったいない。
・賞味期限切れの物を食べて、具合が悪くなったらもったいない。
本当は、この「お金」と「健康」の上に、「きれいに片付くと気持ちがいい」という、
精神的な面がくるのですが、すっきり片付いた部屋の心地よさを味わったことがない
親世代に、精神的アプローチをするのは難しいのです。
人は、味わったことのないことをイメージするのは、日頃からよくイメージの訓練されている方でないと、できないからです。
もし、モッタイナイという気持ちで片づけの手が止まっていたり、
実家や自宅が片づいていなかったら、片づけが進む強いキーワードである、
「お金」と「健康」を使って、アプローチしてみてください。
少しずつでも、片付いていくといいですね。