使わない物にもかかわらず、「ブランド品だから」「高かったから」…
という理由で、そのまま置きっぱなしになっているもの、ありませんか。
特にバブル世代は要注意。
10年以上着ていない服やバッグをたくさんお持ちの方が多いので、
注意してくださいね。
ブランドや値段は、外部の物差し、つまり他人の軸です。
使いやすさや心地よさは、自分の軸であるのと対照的です。
自分の持ち物を、他人の軸にすべて預けてしまうというのは、
自分で物を選ぶことに、「自信のなさ」が現れているのかもしれません。
とっておく理由に100%してしまうと、
他人の軸にすべて決断を預けることとなり、
使わない物が増え続ける原因になるのです!
今使わないブランド物は、過去の思い出と認識して、
きちんと保管し、手入れをしながらとっておくのはもちろんいいのですが、
いつか使うかもと捨てなくてもいい逃げ道を考えたり、
使わないままクローゼットに眠っているのが、
現実には多くなってしまうのです。
資本主義の世の中では、貨幣は多くの人の共通の物差しの役目を果たしています。
それはそれで便利な尺度ですが、世の中の価値判断のすべてとは言えないのです。
自分で大事な物を決めるというのは、この貨幣に換算したときの価値とは別の軸で、
自分を見つめるということです。
お金とは別の物事の軸、基準、素晴らしさが見えてくるかもしれません。
さらに注意しなければいけないのは、貨幣に換算したときの価値が、
時代とともに変わるということです。
流行おくれの服やバッグは、買った時に高くても、時間がたつと値段がつかなく
なることが多いのです。
たとえば、親世代の着物も同じことが言えるでしょう。
親が、なぜ着ることのない着物を手放せないのか、わかるような気がしませんか。
…なんだか大げさに思えますが、片づけを通して、
ひとつずつ物事を判断する力がついてくれば、
他人の好みや家族の違う価値観も、きちんと受け入れられる土壌ができてきます。
自分の軸を問うことに最初は時間がかかっても、スキルを磨いていくうちに、
どんどん判断する時間も短くすることができます。
一時保管箱(3秒ボックス)をうまく利用して、自分にとって大事な物を
選んでいきましょう。
そうすることで、本当に好きなブランド、あるいはブランドでなくても
心地いい、お気に入りの物が見つかります。
値段は安くても心地いいモノが選べるようになってきます。
すると不思議、100円ショップなどでお手軽に物を買うことも、減ってきて、
親の気持ちも分かるようになってきます。
片づけで磨ける力って、奥が深いですね。