私には明治生まれの祖母がいました。
小さいころは、一緒にオセロや折り紙をして遊んでもらいました。
仏壇に、木彫りで、ペンキのようなもので描かれた、看護婦さんの人形がありました。
正直、かわいくないというより、古くてちょっとこわいなあというイメージがありました。
私が22歳ごろから入退院を繰り返し、亡くなりました。
先日、NHKあさイチの企画で、
80歳の母と出演したのですが、
その時に、放送されなかった話の1つです。
母と片づける中で、祖母が、四国の日赤病院の看護婦長で、
「職業婦人」の走りだったこと、
その看護婦さんの人形は、「ナイチンゲール賞」というような名の、
看護に貢献した人がもらえる、記念品だったことを、知りました。
なにかしら戦争にも関係しているのは、明らかです。
モノと人のストーリ-知る 実家の片づけ
実家を片づける中で、わからなかったことがわかり、
本当によかったと思います。
モノにまつわる、思い出、ストーリー(物語)に、気が付くことができたからです
けれども、母からでなく、直接、祖母が元気なうちに、
きちんと聞き書きのようなことができたら、どうでしょうか。
祖母自身の私生活にとどまらず、
戦争中のことなどを、身近なナマの歴史として、
もっとよく理解することができたのではないかと思います。
高校時代に習った日本史は、教科書を試験前に暗記するだけのものでしたが、
やっと、歴史の重みを理解できる年齢に、
少しずつですが、近づいてきたような気がするからです。
超高齢化社会となり、多くの方が長生きする時代というのは、
いろいろな時代を生きた方々が、一緒に、世の中で生きていけるということ。
考え方次第で、いい時代になったといえます。