冷蔵庫で眠る!親納得の救急情報キット収納の実践記|片づかない話 16話

冷蔵庫で眠る!親納得の救急情報キット収納の実践記|片づかない話 16話

2017年07月25日

命を守る 救急情報キット

このブログで何度も登場している、私の実母の話です。

救急医療情報キットとは、個人の病歴、緊急連絡先等の情報をA4の記載用紙に記入し、つつのようなプラスチックケースのキットに保管したもののことです。
キットの保管場所を冷蔵庫と定め、冷蔵庫ドアには、保管を示すマグネットシールをはります。

急病で倒れてしまった場合、ひとりで救急車を呼ぶことまではできたとしても、そのあと意識を失ったら、どうなるでしょう?
本人の情報がわからず、どこが悪いのかが的確にわかりません。

母のように高齢で一人暮らしの場合、どんな病気暦、持病、血液型、どんな薬を飲んでいるか、緊急通報先等々の情報を救急隊員に確実に発することができる、まさに命を救う情報シートなんです。(ご参考  株式会社YHTC様のHP)

わが実家の救急医療情報キットの行く末

随分前のことです。
自治体から配られた、この「救急医療情報キット」が、実家のリビングのサイドテーブルに置きっぱなしになっていました。

私は元気なのに、「余計な物」を自治体から配られたという、まるで他人事のような感覚で受け取ったけど、捨てるに捨てられないと感じているように見えました。

「1人暮らし歴が四半世紀越え」の母にとって、いままで一人で病院に行けたから大丈夫という、(失礼な言い方ですが)妙な自信だけは十分あります。
典型的なこれまでの経験則に頼った確証バイアスというものです(親の心理と確証バイアスについては、こちらのコラムをご覧ください)。
疲れて帰省した私は、正直、まったくもう!という感じでした…。

ここはどこの実家の片づけでも登場する、嫌われ役の長女の役目……。
かくかくしかじか説明し、冷蔵庫にしまっておくメリットを伝えました。
キットは、ただ持っていても意味がなく、きちんと冷蔵庫に入れておこうという話をていねいにした「つもり」でした。
一瞬、いや~な顔をしましたが、一応、話はわかってくれたように見えました。

………

その1か月ぐらいあとで、実家に行きました。
すると、冷蔵庫のドア前に、ステッカーがはってありました。

すごい、進歩だ! とほっとしたのもつかの間。
それは、プチ親子げんかの前触れにすぎませんでした。

冷蔵庫にあるにはありましたが・・・

ところが、です。
冷蔵庫のドアをあけたけれど、肝心な、救急キットの「つつ」が見当たらない。
そんなに大きな冷蔵庫ではないのに。
いやな予感がする。

「どこ?」と聞くと、
奥にしまってある」と、のたまう。
ありました! 冷蔵庫の奥のほうに。
しかも、レジ袋で丁寧に2重に包まれて


もちろんステッカーは見えないから、おかずの食べ残しを入れたタッパと、まったく区別がつきません。
救急車でせっかく来てくれた人の手が、冷蔵庫の食品で手が汚れるからという気遣いらしい。
一刻を争うときに救急隊員がキットを見つけられなかったら、意味がないーーーッ!!
気働きの意味が違う! 物はしまうためにあるのではない!
さすがの私も、口から炎が出そうになった一瞬でした。

あきれはてて、ケンカする気にもなりません。
私はせっかくのコラムネタであるbestな写真を撮るのもわすれて、さっさと東京へ帰ってしまいました。

救急キットの収まりどころ

その一か月後に帰省しました。
母自ら、「冷蔵庫の目立つところにしまっておいた。うるさいから」と、憎まれ口をたたきます。
でもその顔は、猫がネズミをくわえて飼い主にもってきたときのように、ちょっと得意気です(表現がよくなくてすいません)。
こっちもこっちで、「これは冷蔵庫を見てから帰らないと、帰れないなあ、しょうがないなあ、仕方ない、見てから帰ってあげようかな」
なあんて、ちょっと上から目線ぽく、「どれどれ」と、冷蔵庫を開けました。

こういう上から目線になったときって、ほぼ裏切られるということを、私は何度も体験しているのですが、今回はいくらなんでもそれはないだろうと思っていました。

……ありました。

どころが、やはりビニールをまとっていました。
普通の乳白色のレジ袋だと中が見えないので、半透明にしたとのこと。

でもこれでも、救急隊員が一刻を争うときに、ビニールをとる手間もかかるし、見つけるのもひと手間かかる……。
……一瞬、脱力してしまいました。

ここは、手前の目立つポケットにいれてるのと、ビニールを半透明にしたのは、すごい進歩だと思いなおして、写真をとりました。

さらに、「中身も書いといた」という。
ええっ? 前、奥にしまってあったとき、病歴などの情報を空白でシートをしまってあったということ??
エンディングノートでさえ抵抗感があった母です。
自分の死をイメージして情報を書き込まなければいけないので、ハードルが思った以上に高かったようです。
いろんな意味でそこは突き詰めるのはやめておきました。
「ふうん」といって聞き流しました。

救急隊員は命を守るのが仕事。仕事なんだから、命を守れないのが逆にストレスなので、余計なビニールはないほうがいいということを、やんわりと伝えました。
つぎの帰省の目標は、このキットを「むき出し」でしまってもらうことです。

こんなふうに、ジグザグしながら進む、実家の片づけ。
親の壁って、本当に高いです。

そうはいってもこんなことを言ってられるのは、親が元気だからこそなわけなので、そこは素直に感謝しています。

さて、
この救急キットは、自治体によっていろいろな仕様やイラストで開発がすすんでいます。
ぜひお住まいやご実家の地域でどうなっているのか、意識できるといいですね。

片付きますように(渡部亜矢)。

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