【Q30】実家の片づけで「捨てる・捨てない」の親への確認はいちいち必要?

実家の親が大量に物をためこんでいます。
この夏、帰省して、片づけようと考えています。

よく、片付けるときは、1つずつ出して、「捨てる・捨てない」を聞いてから片づけたほうがいいという話を聞きました。

でも、うちの親は、一生かかっても使い切れないぐらいの量の日用品をもっています。
全部、聞きながら片づけるのは無理です。

親の家の片づけで「捨てる・捨てない」の確認をいちいちとる必要はありますか?

しまってあるものを全部出す時間も場所もありません。
片づけは、亡くなるのを待つしかないのでしょうか。

【A】「捨てる・捨てない」よりも、「分けて移動」で安全に

ご自宅の片付けでは、しまってある物をいったん全部出して、「いる・いらない」の仕分けをする方法がよくつかわれます。

ただし、実家の片づけにおいては、そもそも全部を出すほど床にスペースがないぐらい、物の量が多いことがよくあります。

そうした場合、全部出す必要はありません。

捨てるのではなく、1週間ぐらい使わない物を、「ピックアップ」して、「分けて移動」をしていきます。

「捨てる」というと、抵抗がありますが、「箱などに収めて移動するだけ」だと思えば、安心します。

移動して見えなくなったものは、ほとんど忘れてしまうことがほとんどです。
たまに「あれどうした?」と、聞かれたら、実際に使わなくても、「納戸部屋にある」と、しまってある場所を答えるだけでも安心するケースが多いです。

「最近使ったもの」ときくと、子どもの側は、ここ1か月、親側は「10年以上前」だったりと、時間の感覚にずれがあります。
ここ1週間、ここ1年などと限定して、具体的に聞いてみるといいでしょう。

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貴重品などの大事な物のありかは、1つ、2つでも聞き出せればよしとしましょう。
部屋が片付いてくると、大事なものを自分からまとめるようになる親御さんも多いです。

地震などでくずれてこない程度に、とりあえず収まっていればよしとして、捨てなくっちゃというストレスを、子世代がためすぎないようにしていけるのが理想です。

遺品整理でたいへんなのは、どうでもいい物の山のなかに、貴重なもの、大事なものが紛れいていることです。

親御さんがなくなったら、どれが大事かもわかりませんから、1つでも大事なものがわかるだけでもいいのです。

子世代からどうでもいい物であって、ゴミしか見えなかったものも、親御さんが亡くなったとは、ひょっとしたら、大事なものかもしれないと思うと、思い出とともに捨てられなくなったりします。

挙句の果てにそのまま空き家の状態で何年も置いておく方も、少なくないのです。

とりあえず一時保管になっていれば、いざ親御さんがなくなったときに、子世代は中身をチェックせず処分することができます。

とりあえず重要品は入っていないので、そのまま業者に依頼することもできます。

チェックするのに子世代は膨大な時間がかかりますが、それを短縮することができます。

今、親御さんがお元気でしたら、「捨てる・捨てない」でなく、「分けて移動」で安全にしていくだけでも、のちのち、危険な空き家にしないことになります。

結果として、負担が減り、財産を守ることにもつながります。

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片付けるときには、親御さんには、処分費がかかるということを、理解してもらえなくても伝えておくとよいでしょう。

最近は生前整理や終活の情報がテレビなどで伝わっていますから、理解できる親御さんも増えてきています。

うまくいけば、処分費についてもかんげてくれるようになるかもしれません。

子世代からゴミに見えても親がおこる場合は、とりあえず一時保管として仕分けだでも進めておくとよいでしょう。

片づきますように。渡部亜矢