【Q37】収納が少ないマンションで母と2人暮らし、物があふれて困っています。

【Q37】実母と私の二人暮らし歴3年です。今のマンションは駅に近くて新築で通勤にも便利ですが、狭いうえに収納がほとんどありません。引っ越し当初から、いくら片づけても物がはみ出ていて、廊下にまで服があふれています。母親は片づけようとして、100均に行って、小さなかごやプラケースをやたらと買ってきたり、紙袋や箱をとっておきます。何年も履かない靴や食器などもたくさんあり、そのまま畳や床に置いてあります。収納が少ないので、片づけるのは無理だと思います。平日は忙しいし、疲れて片づける時間がありません。広い家に引っ越ししたくてたまりません。

A  狭くて収納が少ない=「物あふれ」に気が付くチャンス

仕事が忙しくて、片づける時間がなく、毎日大変ですね。駅から近い新築マンションに住んでいるのですね。ご事情、お察しします。
仮に、収納もたっぷりある広い一戸建てに引っ越しした場合をシミュレーションしてみましょう。

収納がたっぷりあり、家も広いので、最初のうちは、物が散らかった感じはしません。
そのうちに、だんだんと物があふれてくることは間違いないでしょう。
たとえば、もともと忙しくて片づける時間がないうえに、最寄り駅から遠くて、通勤に往復で1時間ほど余計にかかるようになったとしたら、どうでしょう。
あなたの自由時間のいわゆる「可処分所得」は1時間減りましたので、片づける時間はますますなくなるのです。

もともと片づける時間がないうえに時間に余裕がありませんから、いくら収納があっても、きれいにする時間はありません。
本当に申し訳ないのですが、多少厳しい言い方をすれば、片づけるスキルがもともとないとしたら、時間が減れば、いくら収納できる容量が大きくなっても、ある程度時間がくればいっぱいになってしまうのがオチです。

収納が少ないということは、散らかり具合も、片づけ具合は、「見える化」しやすいのです。今実家の片付けで悩んでいる人のほとんどは、親が広い家にふんだんに物をためこんでいることです。

「無駄なモノを買わなくなる環境が整っている」
「“とりあえず買おう”という習慣がなくなる」

という「環境」、「習慣」が、自然に整ってきます。

これが広い家で、置く場所がたくさんあったら、「まあとりあえず買っておこう」と思うかもしれないのですから。

いまは、狭いのではなく、物を増やして狭くしているととらえて、これ以上増やさない工夫をしていきましょう。
疲れていても、片づけられるほどの物の量にしていくことをおすすめします。

駅から近い新築マンションに住めるということは、時間という資源を余分に持つことになります。
駅から遠くて、通勤に何時間もかけている人からみれば、うらやましい環境なのですから。
しまうための収納を多く持つよりも、人生を豊かにするチャンスに恵まれているといえるのではないでしょうか。人はない物ねだりで、短所に意識が向くのが性分のようです。
ぜひ、今のすまいの長所に目を向け、仕事ができる素晴らしさにも目を向けてみてはどうでしょうか。

余談ですが、いま実家の片づけにお困りの方々は、広い一戸建てにふんだんに詰め込まれた荷物に途方にくれている方のほうが、圧倒的に多いのです。
親が亡くなってから遺品整理の廃棄物業者に、100万円超える支払いをやむを得ずしている方もいらっしゃるご時世です。
広くない家やマンションに住み、物があふれる危険信号をはやく受け取れるのというのは、遺品整理に膨大な費用をかけることを避けることができるので、ラッキーな環境といっても過言ではないのです。
ぜひ今の環境のすばらしさに目を向けて、自分が管理できる物の量に減らす努力をしてみてください。

狭いからこそできる!「こだわる」「使うモノだけ」「厳選」をキーワードにできるといいですね。

片づきますように(渡部亜矢)。

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