「床置きの服をなんとかしたい」というご質問を、受けることがあります。

女性の場合、服がクローゼットからあふれて、床に出ているケースは、めずらしくありません。

若いおしゃれな女性から、生前整理をしたい70代、80代の方、はたまた、ご実家などに帰省したときに、高齢になった親の服が気になったという方、
おひとり様宅など、年齢を問わないご質問なのです。

服が床置きになる原因は、いわゆる動線に問題があることが多いのです。

動線がしっかりしてくることで、体の向きや進行方向が変わり、クローゼットやたんすなどに服を戻せないという、最大の散らかい現象を減らすことができるのです。
その問題になる動線ですが、大きく2つのタイプあります。

原因と対策をご紹介します。

 

 

原因1 洗濯物の「取り込み動線」が長い

洗濯物を干してから、タンスやクローゼットが遠いため、リビングなどにとりあえず置きっぱなしになってしまうんです。

「とりあえず」は散らかるための魔法の言葉と心得てくださいね^^

まず、洗濯物をどこに干すかに注目して、チェックしてみましょう。
ベランダだったら、ベランダからとりこんですぐのところに、クローゼットやたんすがないケースが多いのです。

ほかの部屋だったりすると、面倒になり、ベランダから近い部屋や廊下の床などに置きっぱなしになるのです。

対策
洗濯物を干す場所の近くに、服の収納場所をつくることを考えます。

動かせるタンスや衣装ケースでしたら、移動が簡単なので、
ふだん着をしまう場所を移動させるだけでも、動線は変わってきます。
しまう手間が半減する場合もあります。

原因2 玄関からの「帰宅動線」が長い

外出先から帰ってからの「動線」に注目します。

「帰宅動線」です。

働いているママが専業主婦より多い時代。

そうでなくても、介護や子育て、ダブルケアでてんてこ舞いのママたち。

帰宅した直後が勝負なのです。
玄関から入って、ほっと一息する間に、洋服を脱ぐ場所があればいいのですが、その前にリビングなど、いつも行く場所があり、そこで服を脱ぎっぱなしにするケースです。

多くの方のお悩みなのです。

対策

玄関やリビングに、服を脱ぐ場所をつくります。
よく冬場に玄関にコートかけがあるお宅があります。
そこでジャケットやカーディガンを脱いでかける場所を作ってもいいでしょう。
つい置いてしまいがちなソファーを移動させて、とりあえず置く場所をなくすのも、いいですね。

注意! 実家の散らかりと動線

ご紹介した2つの「動線」ですが、実家の片づけの場合は注意が必要です。

ご高齢になり、体力がなくなったことで、今までお片づけができなくなり、いままでの動線上に服や物が置きっぱなしになるケースがあるからです。

ぜひ、ご自宅だけでなく、実家の動線に注目して、散らかってないか、やさしい気持ちで観察してみてくださいね。

(渡部亜矢)