片づけと生活動線の間には、深い相関関係があるのは、みなさんよくご存じのとおりです。

たとえば、洗濯物を取り込んで、ソファーの上に置きっぱなしになるのなら、
ソファーを移動して、洗濯物が置けない環境にする、小さなお子さんがほったらかしにちがちなランドセル置場を、しまいやすい場所につくるなど、いろいろありますね。

得に実家の片づけのような、高齢者の場合は、立ちあがるときにつかまる、動かないテーブルやいすを置くなど、手すり代わりになるものが必要になる場合もあります。

いずれも、動線というのは、シミュレーションが必要です。

以前にも書きましたが、動線を考えるうえで、参考になる記事があります。

座った人の向きが線路と平行になるよう置き換えたベンチ=JR新大阪駅(神戸新聞)

が、話題になりました。

酔った人が駅のホームから線路に転落する事故が増える中、JR西日本安全研究所が過去2年の事故映像を調べた結果、「突然線路に向かって転落する」傾向が約9割に上るということがわかったので、
対策として、いすの向きを換えたという内容です。

いすの向きの写真と神戸新聞の記事はこちら↓
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201503/0007849604.shtml

記事の写真をみてわかるように、新大阪駅では、ホームのベンチの向きを、座った時に線路と平行になるよう置き換えました。線路までの距離を遠くなることで、事故を未然に防ぐのが狙いだそうです。

これは、片づけの散らかり防止の対策でとても参考になります。
酔っ払いの行動に着目して、観察・分析しているからです。


分析によると、千鳥足でふらふら歩く酔っ払いが転落するというイメージとは全然違うようです。
片づけも同様に、よく観察して、思い込みをなくす、というのも、大事なステップですね。

たとえば実家の片づけの場合、親がどのように動くのか、身長は?うまくかがめるか?しまいやすいかなど、シミュレーションする必要があります。

そのうえで、対策として、
JR西日本の、家具(椅子)の向きを換えることで、酔っ払いの動く方向を変えて、事故を減らしたのです。

片づけでいえば家の中の家具の配置を変えることで、地震対策になるということにもあてはまります。


思い込みをまず捨てて、よく現状を観察し、今、家の中にある家具や物の配置をちょっと変えるだけで、家の動線が変わる可能性があります。
動線が変わると散らかり防止や安全対策になります。

実家のように、何年も住んでいると、思い込みも強くなりますが、そこはちょっとひいて、広角レンズでのぞく感じで、観察して、動線をチェックできるといいですね。

片づけの動線は観察・分析・シミュレーションで対策をたてていきましょう。

片づけって、意外と世の中のいろんなことにつながっているので、多角的にかんがえてまいりましょう。

片づきますように。

 

実家片づけ整理協会   渡部亜矢

 

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